障害者雇用用語集
身体障害とは
■身体障害者とは
身体障害者福祉法では、「別表に掲げる身体上の障害がある18歳以上の者であって、都道府県知事から身体障害者手帳の交付を受けたものをいう」と定義されている。「別表に掲げる身体上の障害」とは、視覚障害、聴覚・言語障害、肢体不自由、内部障害を指す。
障害者雇用促進法で雇用義務の対象となるのは、身体障害者障害程度等級表の1~6級までの人、および7級に掲げる障害が2以上重複している人である。
■重度身体障害者とは
身体障害者障害程度等級表の1~2級に該当する人、または3級に該当する障害を2以上重複していることで2級とされる人は「重度身体障害者」とされる。
■身体障害者であることの確認
原則として「身体障害者手帳」の交付を受けているかどうかによって行う。身体障害者手帳を所持していない場合は、都道府県知事が身体障害者福祉法に基づいて指定する医師(指定医)の診断書、または企業の産業医(内部障害を除く)による診断書によっても確認できることとされている。
【身体障害の種類】
1.視覚障害
一口に視覚障害といっても、見え方や見えにくさは人によってさまざまである。具体的には、全く見えない、もしくは限りなく0に近い視力の全盲、支援機器などを使用すれば文字の読み書きが可能な弱視、一部が欠けて見えたり、見える範囲が狭い視野障害、そのほか光量の調整不全、色覚の異常等の障害がある。
視覚障害者に対しては、拡大読書器や、活字を音声で読み上げるパソコンソフト等の支援機器によって、処理可能な業務の領域が拡大しうること等を、十分考慮することが重要である。
雇用の際には、例えば通勤時の移動手段、職場内での移動をスムーズにするための整理整頓、コミュニケーションの方法などの配慮が必要とされる。
2.聴覚・言語障害
音を聴くことが不自由な聴覚障害と、言語が発せない、または不明瞭である言語障害とは、別々な原因によって、それぞれ単独に起こる場合もある。しかし、生まれつき音を聴く機能に障害があると発声の機能が発達しないなど、相互に関係する場合も多くある。個々人の事情によってその状態は異なる。
聴覚・言語障害の場合、コミュニケーションの場面で困難を伴うことが特徴的。そのことが、人間関係を悪くしてしまう要因になることには、十分注意することが必要となる。
本人側の努力が必要とされる場合ももちろんあるが、周囲が視覚による情報交換に努めることも、重要なポイント。具体的には、筆談や電子メールでの対応、上司や同僚等が手話を習得すること等が挙げられる。
3.肢体不自由
先天的か後天的かにかかわらず、四肢の麻痺や欠損、あるいは体幹の機能障害のため、日常の動作、移動などの運動機能が十分でない状態をいう。
障害のある部分を補完して、仕事の成果を発揮するためには、雇用する側の企業が仕事の効率を支える配慮が必要。
例えば駐車場の用意、設備や作業台等を改善するなどのハード面の工夫と、身体に負担をかけないための時差通勤といったソフト面の工夫等があげられる。これらの工夫をすることが、肢体不自由な人の活躍の場を生み出すと考えることが大切である。
肢体不自由の場合、例えば脳性麻痺のように、言語障害も伴う場合等、外観上は重度とみられがちである。しかし、実際には業務遂行能力が十分にある場合も多くあり、採用を考える際は、こうした点を見誤らないことが必要である。
4.内部障害
心臓機能障害、腎臓機能障害、呼吸器機能障害、ぼうこう・直腸機能障害、小腸機能障害、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による免疫機能障害の6種の障害の総称。
障害の程度にもよるが、慢性腎不全に対する透析や、心臓疾患に対するペースメーカーなど、適切な医学的処置によって、仕事に就いている人も多い。定期的な通院時間を確保する等、勤務上の配慮をすることで、能力を十分に発揮する例がみられる。
なお、HIVに関しては、通常の生活上で感染するものではないことを承知しておく必要がある。
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