障害者雇用用語集

障害者雇用率制度とは

 

障害者雇用促進法によって、民間企業、国、地方公共団体は、その「常時雇用している労働者数」の一定の割合(法定雇用率)に相当する人数以上の身体障害者、知的障害者、精神障害者を雇用することが義務づけられている。

常時雇用している労働者とは、期間の定めのある労働者も、事実上1年を超えて雇用されている、あるいは雇用されることが見込まれるものも含まれる。20時間以上30時間未満の労働時間のパートタイマーも短時間労働者として算定基礎に含まれる。

  
  • 1. 原則として、週30時間以上の常用労働者(1年を越えて雇用が見込まれる者)が算定の対象。
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  • 2. 重度身体障害者、重度知的障害者については、1名を2名として計算できる。(ダブルカウント制)
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  • 3. 短時間労働者の重度身体障害者、重度知的障害者は、1名として計算される。
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  • 4. 短時間労働者の精神障害者については、平成30年4月から特例措置が設けられ、要件を満たす場合は、1名として計算される。
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  •  要件を満たさない場合は、1名を0.5名と計算する。
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  • 【要件】
    ①新規雇入れから3年以内または、精神障害者保健福祉手帳取得から3年以内の場合かつ、
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  • ②2023年3月31日までに雇入れられ、精神障害者保健福祉手帳を取得した場合
    ※短時間労働者とは、週20時間以上30時間未満で、かつ1年を越えて雇用が見込まれる者をいう。
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  • 5. 実雇用率の算定は企業単位。複数の事業所(本店、支店、工場等)を有する企業は、全社分を合計する。
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法定雇用率未達成の企業に対しては、雇用計画の提出や未達成分に相当する納付金を徴収する(障害者雇用納付金制度参照)。また、正当な理由なく計画を達成せず、実施勧告にも応じない場合は「社名の公開」を行う。

 

【障害者雇用率制度の種類】

 

1.法定雇用率

 

法定雇用率は5年ごとに算定し、見直すことになっている。
平成30年4月1日から精神障害者を算定基礎に追加された。

 

以下、企業・団体別の法定雇用率を挙げる。(令和3年度現在)  

 

民間企業        ・・・2.3%(対象労働者数43.5人以上の規模)

 

特殊法人・独立行政法人 ・・・2.6%(対象労働者数39人以上の規模)

 

国・地方公共団体    ・・・2.6%(除外職員を除く職員数39人以上の機関)

 

都道府県等の教育委員会 ・・・2.5%(除外職員を除く職員数40人以上の機関)

 

 

一定の雇用率を下回る企業に対しては、管轄の職業安定所長より雇入計画作成命令が発令される。また、法定雇用率に不足する人数に応じて、障害者雇用納付金の支払い義務が生ずる。障害者雇用納付金を支払っても障害者雇用義務は免除されない。

 

 

また、一定期間に障害者雇用状況が改善しない企業に対しては、企業名公表を前提とした適正実施勧告が行われる。その後も雇用状況が改善されない企業に対しては、企業名が公表される。

   

2. 除外率制度 

 

一般的に障害者の就業が困難であると認められる職種を、かなりの割合が占める業種に対して、算定する常用労働者数から控除する除外率を定めている。

 

なお、除外率制度は、平成16年4月に廃止された。経過措置として、除外率設定業種ごとに除外率を設定し、廃止の方向で段階的に除外率を引き下げ、縮小することとされている。平成22年7月には一律10ポイントの引き下げが行われた。

 

除外率が適用される主な業種は、

 

非鉄金属製造業(非鉄金属第一次製錬・精製業を除く)、倉庫業、船舶製造・修理業、船用機関製造業、航空運輸業、国内電気通信業(電気通信回線設備を設置して行うものに限る)が5%、窯業原料用鉱物鉱業(耐火物・陶磁器・ガラス・セメント原料用に限る)、採石、砂・砂利・玉石採取業、水運業、その他の鉱業が10%、非鉄金属第一次製錬・精製業、貨物運送取扱業(集配利用運送業を除く)が15%、建設業、鉄鋼業、道路貨物運送業、郵便業(信書便事業を含む)が20%、港湾運送業25%、鉄道業、医療業、高等教育機関30%など。除外率の高い業界には道路旅客運送業、小学校の55%、幼稚園60%、船員等による船舶運航等の事業80%などがある。



3 2023年の改定

2023年の障害者雇用促進法ならびに関係省令により、雇用率の引き上げ、除外率の引き下げが決まった。さらに、対象障害者である労働者や職員の数の算定に当たっては、当分の間、精神障害者である短時間労働者や短時間勤務職員については、1人とカウントする。              

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