会社探訪 〜土屋喜久が訪ねた障害者雇用の最前線〜

埼玉の障害者雇用が熱い!

※この文章は、一般社団法人日本職業協会の会員誌「清流」(2025年新春号)に寄稿したものです。明けましておめでとうございます。
本年も、どうぞよろしくお願いいたします。

ものつくり大学に関わるようになって、埼玉とご縁ができました。
これを機会に、埼玉で障害者雇用に取り組む会社などを訪問し、勉強しています。

そこで知ったのは、埼玉が持つネットワークの厚みと素晴らしさ。
その中核的存在となっているのが、「さいたま障害者就業サポート研究会」と「埼玉県障害者雇用総合サポートセンター」です。

この研究会は2003年に発足し、行政、支援機関、教育機関、福祉施設、保護者会、障害者本人、企業など、多様な団体・個人が会員となっています。年4回ある定例会では、障害者雇用を取り巻く幅広いテーマが扱われ、企業見学会も実施されています。
私も会員になって、昨年6月と12月の研究会に参加しました。いずれの回も50名を超える参加者があり、午後6時からの開催にもかかわらず、終了後に懇親会もあるという「熱さ」です。

そして、研究会の活動をもとに発足したのが「埼玉県障害者雇用総合サポートセンター」。2007年に県の事業としてスタートし、関係者には「サポセン」と呼ばれて親しまれています。
サポセンの企業支援業務部門では、特例子会社OBなど、24名のスタッフがアドバイザーとして活躍しています。県内の100人超規模の未達成企業には、毎年必ず一度は訪問する(約800社)など、密度の濃い支援が展開されています。

これらを中核としたネットワークをさらに盛り上げているのが、県内各社の積極的な取組。私も、これまで10社、障害者雇用の現場を訪問することができました。

昨年は「アビリンピック埼玉大会2024」も見学しました。
今年もいろいろな機会を通じて、埼玉の勉強を続けたいと思います。

訪問した会社のレポートを掲載しているwebサイト「会社探訪」には、埼玉県内の10社も掲載しています。
「会社探訪 土屋」で検索してみてください。

あけぼの123 (羽生市)  
埼玉福興(熊谷市)
JR東日本グリーンパートナーズ(戸田市)
シンフォニア東武(春日部市)
西武パレット(所沢市)
長谷川製作所(草加市)
ポラスシェアード(越谷市)
松屋フーズ(県内の店舗を訪問)
マルイキットセンター(戸田市)
メガテラフーズ(東松山市)




土屋喜久(つちや・よしひさ)

株式会社FVP 執行役員
一般社団法人障害者雇用企業支援協会(SACEC) 顧問
学校法人ものつくり大学 理事長

1962年生まれ、群馬県出身。
厚生労働省において、障害者雇用対策課長、職業安定局長、厚生労働審議官を務め、障害者の雇用促進に深く関わった。
同省を退職後、2022年5月、SACECの顧問に就任。
本年10月、FVP・執行役員となる。
これからも障害者雇用へのかかわりを深めていきたいと考えている。