「アビリンピック埼玉大会2024」を見学しました。 (付:2022年の全国大会のレポート)
まだ7月上旬だというのに、暑さ厳しい中、「第20回 アビリンピック埼玉大会2024」を見学してきました。
アビリンピック(障害者技能競技大会)の全国大会には、何度か足を運んでいて、昨年11月に愛知県で開催された大会も、SACEC会員の皆さんと一緒に見学しています。
ただ、都道府県レベルの大会には行ったことがありませんでした。今回は「埼玉のご縁」のおかげで、アビリンピックの裾野の広さを感じることができました。
会場は、国立職業リハビリテーションセンター(所沢市)。西武新宿線の航空公園駅からケヤキ並木の木陰をたどりつつ、15分ほど歩いて到着。
広々とした敷地の中に、国立障害者リハビリテーションセンターと併設された「職リハ」は、障害者職業訓練のいわば総本山。その風格は、15年近い久しぶりの訪問でも、変わることがありませんでした。
大会は、他県に比べてきっと恵まれているであろうこの会場の、ゆったりとした空間の中で、
・パソコンデータ入力
・ビルクリーニング
・オフィスアシスタント
・喫茶サービス
・表計算
など、13種目が実施されました。
全国大会では定番の「フラワーアレンジメント」は、埼玉大会では、今回が初めての実施。会場でお目にかかった、埼玉県フラワー装飾技能士会の立川修子顧問から、今回の実施に向けて尽力された貴重なお話を伺うことができました。立川さんは、一般社団法人埼玉県技能士会連合会の会長でもあり、学校法人ものつくり大学の評議員もお務めいただいています。
実施種目の中には、埼玉独自の「ベッドメイキング」や「小売物流ワーク」もあります。特に「小売物流ワーク」は、埼玉が発祥の種目とのことでした。
※=独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構
JEEDのホームページに掲載された入賞者一覧によると、企業に所属している選手では、下記の3社の4名が金賞を受賞しました。
・ポラス株式会社(表計算)
・ポラスシェアード株式会社(ワードプロセッサ)
・株式会社JRグリーンパートナーズ(パソコンデータ入力)
・ 〃 (オフィスアシスタント)
この大会の成績優秀者は、今年の全国大会参加選手として、県知事に推薦されます。11月に愛知県で開催される全国大会でも、いかんなく実力を発揮されることを心よりお祈りいたします。
2022年11月5日、千葉市の幕張メッセで開催された「第42回 全国アビリンピック(全国障害者技能競技大会)」を見学してきました。
一昨年(愛知大会)は無観客で、そして昨年(東京大会)は、来場を選手と関係者に限定しての開催でしたが、今年は一般の観客も見学・応援する中、25種目の競技が繰り広げられました。
そして、幕張メッセでは、23歳以下の若い技能者が技を競う「第60回 技能五輪全国大会」も同時に開催。用意した体調確認書をそれぞれに提出して、両大会を見学しました。
アビリンピックの見学は、長野大会以来10年ぶりでしたが、印象深かったのは、障害を持つ方々の職域の拡大に合わせて、新しい競技種目が増えていることです。
例えば、商品を梱包する箱や緩衝材の組立・組み込みを競う「製品パッキング」は、2010年に新設された種目ですし、企業が発送する書類の準備作業などを想定した「オフィスアシスタント」も、その2年後に始まった種目です。今大会では、それぞれ21名、36名とたくさんの選手の参加がありました。
パソコンを使う競技も増えていて、「ワード・プロセッサ」や「表計算」のほか、アンケートの入力や文書修正などを行う「パソコンデータ入力」(2005年~)では、参加資格が知的障害者に限定される中、28名の選手が競い合っていました。
「ビルクリーニング」(2009年~)や、以前からおなじみの「喫茶サービス」も、参加選手が多く、多くのギャラリーを集めていました。
職域の確立・拡大に合わせて新しい競技種目が設定されることは、企業の現場で働く皆さんにとっても、大きな励みとなることでしょう。主催者である独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)には、これからも積極的な対応を期待したいと思います。
アビリンピックにあわせて開催された「障害者ワークフェア2022」は、3年ぶりの開催。主催するJEEDに運営面で協力している公益社団法人全国障害者雇用事業所協会(全障協)にとっても、会員の事業を広く紹介することができる大切なイベントです。
こちらの会場にも多くの来場者が足を運び、各社が説明を繰り広げる中、先日訪問したダイキンサンライズ摂津の澁谷栄作社長も、熱心に会社の事業を紹介しておられました。
ところで、アビリンピックに参加する選手は各都道府県の代表という形になっていますが、その所属について、JEEDの担当にお聞きしたところ、企業に所属している選手が約6割とのことです。
そのわりには「ギャラリーに会社の人(と思われる人)が少ないなあ」というのが、私の率直な感想。ダイキンサンライズ摂津の澁谷さんは「先ほどまで、製品パッキングに出場した社員の応援に行っていました」とおっしゃっていました。
技能五輪の製造系の種目のように、「会社の名前入りの揃いのウインドブレーカーで」とまでは申し上げませんが、SACEC会員の各社も、ぜひ会社やグループを挙げて応援に駆けつけてほしいと思います。
来年のアビリンピックは、11月に愛知県で開催される予定です。コロナの影響を心配することなく、さらに熱気にあふれた大会となることをお祈りしたいと思います。
そして、皆さん、熱い応援をよろしくお願いします!
*掲載した資料や写真は、各社からご提供いただいたものです。
*文中の「ショウガイ」の標記については、引用部分などを除き、法令と同様の「障害」としています。
アビリンピック(障害者技能競技大会)の全国大会には、何度か足を運んでいて、昨年11月に愛知県で開催された大会も、SACEC会員の皆さんと一緒に見学しています。
ただ、都道府県レベルの大会には行ったことがありませんでした。今回は「埼玉のご縁」のおかげで、アビリンピックの裾野の広さを感じることができました。
会場は、国立職業リハビリテーションセンター(所沢市)。西武新宿線の航空公園駅からケヤキ並木の木陰をたどりつつ、15分ほど歩いて到着。
広々とした敷地の中に、国立障害者リハビリテーションセンターと併設された「職リハ」は、障害者職業訓練のいわば総本山。その風格は、15年近い久しぶりの訪問でも、変わることがありませんでした。
《13種目を約100人の規模で》
・パソコンデータ入力
・ビルクリーニング
・オフィスアシスタント
・喫茶サービス
・表計算
など、13種目が実施されました。
全国大会では定番の「フラワーアレンジメント」は、埼玉大会では、今回が初めての実施。会場でお目にかかった、埼玉県フラワー装飾技能士会の立川修子顧問から、今回の実施に向けて尽力された貴重なお話を伺うことができました。立川さんは、一般社団法人埼玉県技能士会連合会の会長でもあり、学校法人ものつくり大学の評議員もお務めいただいています。
実施種目の中には、埼玉独自の「ベッドメイキング」や「小売物流ワーク」もあります。特に「小売物流ワーク」は、埼玉が発祥の種目とのことでした。
主催者のJEED(※)埼玉支部が公表している開催案内によれば、参加定員は、全種目合計で約100人という規模。会場には、選手の関係者を中心に、たくさんの応援・見学者もつめかけて、選手の皆さんも真剣そのものです。その雰囲気は、全国大会にも劣らないものと感じました。
※=独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構
《成績優秀者が全国大会へ》
・ポラス株式会社(表計算)
・ポラスシェアード株式会社(ワードプロセッサ)
・株式会社JRグリーンパートナーズ(パソコンデータ入力)
・ 〃 (オフィスアシスタント)
この大会の成績優秀者は、今年の全国大会参加選手として、県知事に推薦されます。11月に愛知県で開催される全国大会でも、いかんなく実力を発揮されることを心よりお祈りいたします。
《付:2022年全国大会のレポートです》☆☆「全国アビリンピック」に行ってきました ☆☆
一昨年(愛知大会)は無観客で、そして昨年(東京大会)は、来場を選手と関係者に限定しての開催でしたが、今年は一般の観客も見学・応援する中、25種目の競技が繰り広げられました。
そして、幕張メッセでは、23歳以下の若い技能者が技を競う「第60回 技能五輪全国大会」も同時に開催。用意した体調確認書をそれぞれに提出して、両大会を見学しました。
アビリンピックの見学は、長野大会以来10年ぶりでしたが、印象深かったのは、障害を持つ方々の職域の拡大に合わせて、新しい競技種目が増えていることです。
例えば、商品を梱包する箱や緩衝材の組立・組み込みを競う「製品パッキング」は、2010年に新設された種目ですし、企業が発送する書類の準備作業などを想定した「オフィスアシスタント」も、その2年後に始まった種目です。今大会では、それぞれ21名、36名とたくさんの選手の参加がありました。
パソコンを使う競技も増えていて、「ワード・プロセッサ」や「表計算」のほか、アンケートの入力や文書修正などを行う「パソコンデータ入力」(2005年~)では、参加資格が知的障害者に限定される中、28名の選手が競い合っていました。
「ビルクリーニング」(2009年~)や、以前からおなじみの「喫茶サービス」も、参加選手が多く、多くのギャラリーを集めていました。
職域の確立・拡大に合わせて新しい競技種目が設定されることは、企業の現場で働く皆さんにとっても、大きな励みとなることでしょう。主催者である独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)には、これからも積極的な対応を期待したいと思います。
アビリンピックにあわせて開催された「障害者ワークフェア2022」は、3年ぶりの開催。主催するJEEDに運営面で協力している公益社団法人全国障害者雇用事業所協会(全障協)にとっても、会員の事業を広く紹介することができる大切なイベントです。
こちらの会場にも多くの来場者が足を運び、各社が説明を繰り広げる中、先日訪問したダイキンサンライズ摂津の澁谷栄作社長も、熱心に会社の事業を紹介しておられました。
ところで、アビリンピックに参加する選手は各都道府県の代表という形になっていますが、その所属について、JEEDの担当にお聞きしたところ、企業に所属している選手が約6割とのことです。
そのわりには「ギャラリーに会社の人(と思われる人)が少ないなあ」というのが、私の率直な感想。ダイキンサンライズ摂津の澁谷さんは「先ほどまで、製品パッキングに出場した社員の応援に行っていました」とおっしゃっていました。
技能五輪の製造系の種目のように、「会社の名前入りの揃いのウインドブレーカーで」とまでは申し上げませんが、SACEC会員の各社も、ぜひ会社やグループを挙げて応援に駆けつけてほしいと思います。
来年のアビリンピックは、11月に愛知県で開催される予定です。コロナの影響を心配することなく、さらに熱気にあふれた大会となることをお祈りしたいと思います。
そして、皆さん、熱い応援をよろしくお願いします!
*掲載した資料や写真は、各社からご提供いただいたものです。
*文中の「ショウガイ」の標記については、引用部分などを除き、法令と同様の「障害」としています。
土屋喜久(つちや・よしひさ)
株式会社FVP 執行役員
一般社団法人障害者雇用企業支援協会(SACEC) 顧問
学校法人ものつくり大学 理事長
1962年生まれ、群馬県出身。
厚生労働省において、障害者雇用対策課長、職業安定局長、厚生労働審議官を務め、障害者の雇用促進に深く関わった。
同省を退職後、2022年5月、SACECの顧問に就任。
本年10月、FVP・執行役員となる。
これからも障害者雇用へのかかわりを深めていきたいと考えている。