障害者雇用Q&A

Q
やる気もスキルも高い障害者社員の職域拡大にあたっての注意点
精神障害(統合失調症)の方を清掃業務で採用しました。仕事の覚えが早く、入社3か月ですでに障害者チームの中でリーダー的な存在になっていました。仕事ぶりを見ていた他部署から仕事の依頼があり本人もやってみたいとの希望があったので、4か月目には他部署の方の指導のもと新しい仕事を担当してもらうことにしました。その後1か月もせずに急に欠勤となり、そのまま出てこれなくなってしまいました。何がいけなかったのでしょうか。

A
職域拡大のタイミングは客観的データと支援者の意見も判断材料に慎重に判断。本人が希望する場合でも、最初は特に慎重に進める方がよいことも

2つ問題点があります。
1つ目は、この精神障害(統合失調症)の方にとっては職域拡大の時期が早すぎたということです。仕事の幅を広げたりレベルアップするには、職場に慣れ、安定して業務を遂行できる状態になっていることを十分に確認する必要があります。同じ業務の繰り返しであっても、せめて半年間くらいは、業務内容や量を大きく変えず慎重に対応する方がいいかもしれません。

2つ目は、他部署からの業務ということで、指示命令系統が2つに分かれてしまったことです。基本のマネジメントは清掃部門の上長が行っていましたが、他部署から「この仕事、明日頼めるかな」と声がかかると、本人はその期待にも応えなければと考えてしまい、徐々にプレッシャーを感じるようになっていました。障害者を採用して、「思った以上に仕事ができる」と感じることはよくありますが、特に精神障害の方の職域拡大はスモールステップ、ステップバイステップで進めることをおすすめします。

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