障害者雇用の「2025年問題」
※この文章は、一般社団法人日本職業協会の会員誌「清流」(2024年盛夏号)に寄稿したものです。皆さん、こんにちは。
各企業では、ちょうど今頃、いわゆるロクイチ報告(障害者雇用状況報告)の提出を済ませて、ほっとひと息ついているところかもしれません。
法定雇用率は、本年4月に2.5%に引き上げられ、さらに2年後には2.7%に。
それだけでもかなりの上り勾配ですが、そこに輪をかけるのが、来年4月の除外率の一律10%引下げです。
今回の引下げは、2010年以来、久しぶりの3回目。
適用対象業種の企業では、実雇用率の計算式の分母が大きく増加しますので、その対応は急務です。
対象業種をみると、
・道路旅客運送業(55%→45%)
・鉄道業、医療業、高等教育機関(30%→20%)
・建設業、道路貨物運送業、郵便業(20%→10%)
・航空運輸業、倉庫業(5%→廃止)
など、労働集約的な業種が少なくありません。
労働力調査(2024年4月)によると、医療業(415万人)、建設業(390万人)、道路貨物運送業(199万人)と、これら3業種だけでも、雇用者数全体の1/6近くに及ぶ規模です。
そして、この3業種はともに、時間外労働の上限規制の「2024年問題」に関わる業種でもあります。
除外率の引下げにおいても、官民が一体となって取り組むことが必要ではないでしょうか。
これまで訪問した会社のレポートを掲載しているWebサイト「会社探訪」では、除外率の適用対象業種で積極的な取組を展開している企業などもレポートしています。ご参照いただけると、幸いです。
*株式会社京王シンシアスタッフ(鉄道業)
https://company.fvp.co.jp/blog6/detail.html?id=1436
*ASKUL LOGIST株式会社 福岡物流センター(道路貨物運送業、倉庫業)
https://company.fvp.co.jp/blog6/detail.html?id=1217
*国立がん研究センター 東病院(医療業)
https://company.fvp.co.jp/blog6/detail.html?id=1858
各企業では、ちょうど今頃、いわゆるロクイチ報告(障害者雇用状況報告)の提出を済ませて、ほっとひと息ついているところかもしれません。
法定雇用率は、本年4月に2.5%に引き上げられ、さらに2年後には2.7%に。
それだけでもかなりの上り勾配ですが、そこに輪をかけるのが、来年4月の除外率の一律10%引下げです。
今回の引下げは、2010年以来、久しぶりの3回目。
適用対象業種の企業では、実雇用率の計算式の分母が大きく増加しますので、その対応は急務です。
対象業種をみると、
・道路旅客運送業(55%→45%)
・鉄道業、医療業、高等教育機関(30%→20%)
・建設業、道路貨物運送業、郵便業(20%→10%)
・航空運輸業、倉庫業(5%→廃止)
など、労働集約的な業種が少なくありません。
労働力調査(2024年4月)によると、医療業(415万人)、建設業(390万人)、道路貨物運送業(199万人)と、これら3業種だけでも、雇用者数全体の1/6近くに及ぶ規模です。
そして、この3業種はともに、時間外労働の上限規制の「2024年問題」に関わる業種でもあります。
除外率の引下げにおいても、官民が一体となって取り組むことが必要ではないでしょうか。
これまで訪問した会社のレポートを掲載しているWebサイト「会社探訪」では、除外率の適用対象業種で積極的な取組を展開している企業などもレポートしています。ご参照いただけると、幸いです。
*株式会社京王シンシアスタッフ(鉄道業)
https://company.fvp.co.jp/blog6/detail.html?id=1436
*ASKUL LOGIST株式会社 福岡物流センター(道路貨物運送業、倉庫業)
https://company.fvp.co.jp/blog6/detail.html?id=1217
*国立がん研究センター 東病院(医療業)
https://company.fvp.co.jp/blog6/detail.html?id=1858
土屋喜久(つちや・よしひさ)
株式会社FVP 執行役員
一般社団法人障害者雇用企業支援協会(SACEC) 顧問
学校法人ものつくり大学 理事長
1962年生まれ、群馬県出身。
厚生労働省において、障害者雇用対策課長、職業安定局長、厚生労働審議官を務め、障害者の雇用促進に深く関わった。
同省を退職後、2022年5月、SACECの顧問に就任。
本年10月、FVP・執行役員となる。
これからも障害者雇用へのかかわりを深めていきたいと考えている。