障害者雇用Q&A

Q
作業スピードがゆっくりな同僚の障害者社員を厳しく叱責してしまう発達障害のある社員がいます。どのように対応したらよいのでしょうか?

発達障害のある社員のAさん。
同じ職場で働く精神障害のあるBさんの仕事ぶりが気になって仕方ありません。AさんはBさんに対し、ことあるごとに「スピードが遅すぎる」「こんなにミスが多いことは許されない」と厳しい口調で叱責をします。BさんはAさんの叱責を気にするようになり、体調が良くありません。

また、Aさんは、Bさんの仕事ぶりに気を取られてしまい、自分の仕事がややおろそかになってしまっています。
Aさんは、「同じ給料なのに何度行っても改善しないBさんの態度は問題だ。給料をもらう資格がない」と指導担当者に訴えます。こういう場合どのように対処すればよいのでしょうか。

A

【自分の仕事は何か】担当する業務の範囲と内容について明確に説明。同僚の仕事ぶりを気にしたり、叱責することは、担当外だと伝え、理解してもらいましょう。

同じ障害、診断名、あるいは障害の等級が同じであっても、仕事をする上での得意不得意についてはそれぞれ人によってまったく異なります。

障害のある社員が複数在籍している部署などでは、同じ仕事を複数の障害のある人に担当してもらうことも生じるため、早く正確にできる人と、ゆっくりでなければ作業を進められない人が存在することは避けられないことだと言えます。AさんとBさんで、別々の業務を担当してもらうことができれば、あきらかに作業能力の差があきらかにわからなくなるかもしれません。けれども「Bさんが気になって仕方がないAさん」のイライラが解消するかどうかは不透明です。

「ルールを重んじる」という発達障害の方の特性に照らして、担当の仕事、担当外の仕事という区分けをして伝えていくとスムーズかと思います。面談などの機会をつかって理解を促していくと良いでしょう。

以下を参考になさってください。

Aさん:Bさんの仕事内容が不満だ。あの仕事ぶりは問題だ。給料をもらう資格がない。
指導担当者:AさんはBさんの仕事ぶりが気になるのですね。
Aさん:はい、そうです。

指導担当者:ところであなたの担当の仕事は何でしたか?
Aさん:〇〇と△△と××です。
指導担当者:あなたの担当の仕事は〇〇と△△と××ですね。
Aさん:はいそうです。
指導担当者:Bさんの仕事を気にするということはあなたの担当ではありませんね。
Aさん:担当ではありません。

指導担当者:Bさんがどのような仕事ぶりであっても、あなたが気にしたり、アドバイスしたりすることは担当外のことになってしまいますね。担当外のことをやってしまうと担当の仕事がおろそかになってしまいますので、担当の業務に集中してください。
Aさん:そうでした。Bさんのことを気にするのは自分の担当ではありませんでした。自分の担当業務に集中します。


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