障害者雇用Q&A

Q
モチベーションアップのために、短時間でも好きな仕事をやらせた方がよいのでしょうか?

発達障害者(アスペルガー症候群)を雇用しています。

サーバーエラーのチェックと帳票番号のエラーチェックの業務を担当し、実際とても助かっていますが、本人は「好きな仕事ではないからモチベーションが上がらない。やりたい仕事ならもっとやる気がでる!」と訴えます。

デザイン関係の仕事が希望だと言うのですが、客観的に見ても仕事のレベルには達しておらず、困っています。モチベーションを向上させるためには、短時間でもやりたい仕事をやってもらう時間を作った方がいいのでしょうか。

A

【障害者の評価・モチベーション】貢献度の低い仕事をやってもらう必要はありません。

やりたい仕事に配置されない理由を具体的に伝えると同時に、別の方法で現状の仕事のモチベーションを上げる工夫をしましょう。

モチベーションを上げるためという理由で、仕事のレベルに達していない業務の時間を設ける必要はありません。そのことは本人にも説明し、納得してもらう必要があります。その際の説明は、発達障害の特性に配慮し、「論理的」「客観的」「断定的」に話すことをおすすめします。一例は以下の通りです。

「仕事としてやってもらう以上、デザインに関しては、○○の技術、△△のスピード、××に関する外部との調整を必要とします。残念ながらあなたの能力では△△と××の部分が不十分だと考えています。お給料を払うに値する仕事のレベルに達していないのだから、会社はその仕事をあなたにやっていただくことはできない」といった具合です。 

厳しすぎるとお感じになられるかもしれませが、「ちょっと難しい」や「今は厳しい」という表現をすると、「どの部分がちょっとなのか」「いつならできるようになるのか」とかえって誤解を招いてしまい、逆効果になります。

 現状のエラーチェックの業務は、発達障害者の持つ能力の強みを発揮しやすい仕事のひとつだと思いますが、毎日同じ仕事の繰り返しで、時間になったら業務を開始し、時間になったら業務を終了させるだけでは、張り合いのない仕事になってしまうのは誰しも同じです。

まずは、一日の作業量や品質を業務日誌などに記録をさせ、その推移を障害者本人と指導者(上司)で共有していってはどうでしょう。

客観的なデータがあれば、達成感も持ちやすいですし、目標設定も容易になります。指導者においても、具体的な評価を行いやすく一石二鳥です。ただ「がんばってるね」ではなく、「以前より〇〇%もスピードがあがったのはすばらしいね」と伝えられることで、本人のやりがい、モチベーションアップにもつながると考えます。


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