障害者雇用Q&A

Q
加齢による体力の衰えが顕著な障害者社員の退職を早めて、定年退職扱いにすることはできますか?

工場で身体障害者を雇用しています。50歳を超えてから急に体力の衰えが顕著になってきた人がいます。今の仕事内容や労働時間だと本人も大変だとのことで、退職も検討しているようです。長年頑張ってきてくれたので、定年退職扱いにしてあげたいと思うのですが、通常の定年退職を早めた年齢での定年退職扱いをすることは可能でしょうか。

A

【障害者の退職年齢】定年退職年齢の引き下げは不可能。全社員を対象に独自制度として導入することは可能。

高齢者雇用安定法によって、定年退職の年齢は60歳を下回ることはできないと定められていますので、60歳より早めて定年退職を定めることはできません。ただし運用においては、定年はあくまでも60歳とし、本人の希望により退職する場合であっても、一定の年齢(たとえば45歳とか50歳)を超えたら定年退職扱いとし、福利厚生面での優遇制度を設けている企業もあります。ただし、このような特例制度を障害者だけに限定することは避けるべきです。逆に差別的取り扱いと判断されてしまうこともあります。また制度を変える場合は、就業規則を改定することとなり、労使合意が必要となります。

障害者の場合、加齢の影響も個人差があり、一概に何歳の定年が適当とは言えませんが、体力の低下等で仕事を続けるのが困難になった障害者にとって、自己都合退職以外の選択肢がないというのは負担も小さくありません。本人も無理をしながら、周囲の社員も負担感を感じながらでも定年まで働き続けていくのはどちらにとってもメリットがあまりありません。したがいまして、このように通常の定年退職よりも早めて定年退職扱いにできる制度を導入することは、障害者、会社の双方にとって意義は大きいものであると考えます。

また、特例子会社を設立すると障害者スタッフの制度を一般社員の制度と異なるものにしやすくできます。
  • 特例子会社 事業計画書テンプレート

    特例子会社制度や設立要件など記載されている項目について 
    自社の考えや状況をふまえ、検討していくことで、 
    社内に説明する事業計画書をつくることができます。