障害者雇用Q&A

Q
【発達障害】ミーティング中に寝てしまう発達障害の社員への対応のポイント

週に一度、業務の進捗報告と進め方を検討する場を兼ねて1時間程度の部署のミーティングがあります。部署のメンバーとして発達障害のある社員にも参加してもらっていますが、毎回のように寝ています。注意しても直らず、本人に聞いても「話についていけなくなると、自然と寝てしまう」と悪びれる様子もなく言われ、困っています。

A

ミーティングを行う場合は、事前共有、会議進捗や決定内容の「見える化」などが有効。業務連絡などはミーティング以外の手段も検討する。

発達障害のある方の中には、
・口頭での情報処理が苦手
・話が流れていくと理解が追いつかない
・注意のコントロールが難しく、負荷がかかるとシャットダウンする
といった特性が見られます。

特に会議のように、
・話題が次々と切り替わる
・複数人が発言する
・前提知識が共有されていない
といった環境では、「ついていけない状態」が短時間で発生します。

そして一定の負荷を超えると、「ぼーっとする」「意識が飛ぶ」「眠ってしまう」
といった形で、脳が処理を止めてしまうことがあります。
つまりこれは、「サボり」ではなく処理できない環境からの離脱反応とも言えるものです。

私たちFVPが関わった企業でも、「会議の持ち方」を変えたことで、参加できるようになった事例があります。

その職場でも、対象社員はミーティングのたびに居眠りをしており、上司は繰り返し注意していましたが改善は見られませんでした。そこで私たちは、本人への指導ではなく、ミーティングの設計そのものを見直す支援を行いました。
具体的には、以下のような変更を行いました。

1.事前共有の徹底
ミーティングの前に、
・目的
・アジェンダ
・各トピックの要点をテキストで共有し、事前教習を徹底しました。

これにより、本人は「何について話されるのか」を事前に把握でき、理解の土台ができました。

2.“見える会議”への転換
会議中はメモをモニターに投影するなどし、
・今どの議題を話しているのか
・何が決まったのか
を常に可視化しました。

口頭情報だけだった状態から、視覚情報とセットで理解できる状態に変えたことが大きなポイントです。

3.区切りと役割の明確化
進行役が議題ごとに区切りを入れ、
・「ここまでで質問はありますか」
・「〇〇さん、この点どう思いますか」
といった形で、参加のタイミングを明確にしました。

これにより、本人は「いつ発言すればいいかわからない」という不安から解放されました。

4.時間の再設計
1時間の会議を、
・30分+5分休憩+25分
に分割しました。

結果として、集中が持続しやすくなり、後半の離脱も減少しました。

これらの対応を行った結果、
・居眠りはほぼ見られなくなった
・本人から発言が出るようになった
・上司のストレスも軽減された
という変化が見られました。

重要なのは、本人を変えたのではなく、発達障害の特性のある人が「参加できる環境」に変えたという点です。
発達障害をはじめとする精神障害のある方の雇用においては、「本人への指導」だけではなく、環境面での工夫も重要になります。


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