障害者雇用Q&A

Q
精神障害者に「無理をさせない」環境とは?

精神障害のある社員を雇用しています。就労支援機関の担当者から「無理をさせないことが長く働けるコツ」と言われましたが、実務上の感覚として、どこまでが「無理をさせない仕事」で、どこからが「無理をさせている状態」なのか判断が難しく感じています。業務をどの程度任せるべきか、またどのような状態を「適切な配慮」として整理すればよいのでしょうか。

A

業務を制限することではなく、負荷が偏らないように設計し、崩れる前に調整できる状態をつくることです。

「無理をさせない」というのは、業務の有無ではなく、負荷のコントロールと崩れた時の対応を指しています。
このテーマでまず押さえるべきポイントは、「無理をさせない=仕事量を極端に減らすこと」ではないという点です。

FVPの支援現場でもよく見られる傾向として、精神障害のある方は真面目で責任感が強いケースが多く、自分の負荷に気づかないまま仕事を続けてしまうことがあります。その結果、気づいた時には疲労が蓄積し、体調不良や欠勤につながることがあります。

そうなると、現場で誤解されやすいのが「できる範囲でいいよ」という伝え方です。
本来仕事には「できる範囲」でやっていい仕事はないはずです。精神障害がある方であっても戦力として組織に貢献してもらわなければなりません。むしろ「ここまでやってほしい」と期待も込めて伝えることは必要です。

また「できる範囲で」というのは、本人もやる範囲がわからずに混乱して判断が難しくなってしまいますし、仕事への責任感も生まれません。

ですから「できる範囲でいいよ」という言い方は一見配慮に見えますが、実務上は次のような問題を生みやすくなります。
・どこまでやれば良いのか基準が曖昧になる
・本人が過剰に頑張ってしまい負荷が見えなくなる
・逆に責任範囲が不明確になり不安定になる

業務を依頼する歳は、期待する業務のラインを明確にすることが重要です
たとえば、
・「この業務はここまで対応してほしい」
・「ここまでできれば完了とする」
・「難しい場合はこのタイミングで相談する」
といったように、業務のゴールと調整の範囲をセットで示す形が有効です。

では、「無理をさせない環境」とは何かというと、主に次の2点に整理できます。
① スケジュールや業務量を調整できる余白があること
業務が常にギリギリではなく、一定のバッファ(余裕)がある状態です。
 遅れが出た際にも即崩壊するのではなく、調整で吸収できる構造になっていることが重要です。

② 困った時に早期相談できる仕組みがあること
「限界まで頑張ってから相談」ではなく、
 早い段階で軌道修正できる状態が整っていることです。

・誰に相談すればよいか明確
・相談しても評価が下がらない仕組み
・業務調整が現実的に行える体制
この3つが揃うことで、過負荷の蓄積を防ぎやすくなります。

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