株式会社朝日エンジニアリング様
- 特例子会社設立支援
特例子会社の事業選択に悩む私たちに包括的で具体的な提案をしてくれた
豊富なネットワークを生かして行政や関係機関との連携を橋渡し。障害者雇用の機会創出のみならず、事業領域の拡大へ
人材派遣業としての雇用創出の限界感を感じ
特例子会社設立を検討していた時期に
弊社にご依頼いただく前の障害者雇用に関する状況、課題についてお聞かせください。
大河内様: 朝日エンジニアリングは、環境プラントの運転や維持管理、環境計量分析、研究開発補助といった専門技術を持った人材を官公庁や大手企業へ派遣する事業を展開しています。
障害のある社員を派遣することは困難ですので、受け入れは必然的に本社になります。もちろん本社でも積極的に受け入れていましたが、適した業務を切り出していくことには限界もあります。
どんどん従業員が増えていく中で、法定雇用率の達成が非常に厳しい状況が続いていました。
そんな折、愛知県岡崎市で清掃事業を展開するアサヒクリーメンテ(以下「ACM」と略す)が弊社のグループ会社に加わったこともあり、ACMが特例子会社の認定を受けられないかと考えていました。けれどもいざ検討してみるとそんなに単純ではなかったんです。社内には、特例子会社の設立についての知見を持つ社員はおりません。どこから取り組めばよいのだろうといった状況でした。
工藤様: 請け負っている清掃現場が小規模であったり、1年ごとの入札が必要な現場であったりと、障害のある社員の働きやすい環境を作る視点でも、障害者雇用の拡大の視点でも課題がたくさん見つかりました。
これは清掃だけで障害者雇用を進めていくのは簡単ではないな・・・。特例子会社でやっていくにしても、清掃事業以外にも障害者雇用の柱となる事業を創らなければならない・・・というのが社内の共通意見でした。
事業の継続性を考えた特例子会社の在り方を一緒に考えてくれたのがFVP
弊社サービスをお選びいただいたきっかけ、経緯、理由についてお聞かせください
工藤様: 障害者雇用支援のサービスを提供している企業の話は何社か聞いていたんですよ。
大河内様: 農業には当初から関心がありましたので、農園のサービスも見学に行きました。 ですが、業者に全部お任せにということは違うんじゃないだろうかと感じました。丸投げというのはどう考えてもおかしい。どうせやるのであれば、自分たちが主体的にしっかりやっていかなければならない。言い変えるともっと事業としての継続性を考えていかなければならないし、さらには農業をやる以上は地域にも貢献していかなければと思ったのです。
そうはいっても社内には農業のノウハウも障害者雇用のノウハウもなかったんですけどね。単に「ちがうんじゃないか」ということを考えていただけというか(笑)
工藤様: そんな折、FVPさんからダイレクトメールが届いたと記憶しています。
大河内様: FVPさんの話を聞いてみると、特例子会社の設立支援について豊富な実績をお持ちで、申請の手順、留意点などについても熟知しておられる。
農業分野で障害者雇用を進めている特例子会社や人材派遣業の特例子会社の方との情報交換の機会も作ってくださる。我々が最も欲しい情報を持っておられたのはもちろんですが、単なる法定雇用率対策としてではなく、事業としての継続性や発展性を考えたサポートをしてくれるという提案に「インスピレーションを感じた」というか(笑)。
特例子会社の認定を受けられた
地元農家様の農作業を請け負う形での農福連携がスタート
2022年から地元農家様の農作業の請負がスタートしましたね
大河内様: ACMは、清掃事業での障害者雇用、そして愛知県安城市のチンゲン菜農家様の農作業請負による障害者雇用の二本柱で特例子会社申請を行い、2022年11月に認定を受けました。
清掃現場では12名の身体、精神障害のある社員が、農作業請負の仕事では重度知的障害をふくむ3人の障害のある社員が就業しています。
特例子会社の新たな事業領域を開拓する過程では、自社農園での障害者雇用と地元農家様と提携した農作業請負の方法の二つを検討しました。農業のノウハウがないスタート段階では、リスクが低い農作業請負の形でまずは障害者雇用機会を創出しようと考え、業務提携をして頂ける農家様を探しました。
農福連携を進めるにあたっては、愛知県や地元の自治体、農業関係者の意向も確認する必要がありましたが、FVPさんに手伝っていただきながら一つひとつ進めました。
その結果、まずはひとつ形ができ、ホッとしています。
工藤様: 今回業務提携した農家様は、農業に対してしっかりとした理念をお持ちで、農福連携にも協力的な方でした。ACMの障害のある社員は、サポーターの指導のもと、チンゲン菜の収穫や残さの片付けなどをやっています。
弊社サービスのどのような点にご評価をいただけますでしょうか
大河内様: 特例子会社の事業プランニング、そしてそれを具体化していくプロセスを一緒に考えてくれました。そして、行政との調整、農家様訪問などについても一緒に動いてくれました。そこまでやってくれる会社というのはあまりないのではないかと思います。
工藤様: ちょっとでもわからないことがあれば、すぐ相談させていただきました。私は社内外の調整や申請業務を主に担当しましたので、その都度具体的な助言をもらえたのはありがたかったです。ハローワークをはじめとする関係機関との連携、特例子会社の申請にあたっては、就業規則や賃金規程の作成ですとか、親会社との契約周りなど様々なタスクがありましたが、とてもスムーズに進みました。
大河内様: ACMの管理責任者の実地研修でもお世話になりました。障害のある社員と一緒に働かせていただきましたが、とてもありがたい経験だったと思います。
豊富なネットワークを生かして行政や関係機関との連携を橋渡ししてくれた
弊社サービスと他社サービスとの違いはどのような点ですか
大河内様: 他社のサービスを使っておりませんので、正直よく分かりませんが(笑)。
今でも障害者雇用支援サービスの提案をたくさんもらいますが、基本的には、法定雇用率をどのように満たすのかといった視座からの提案がメインですよね。それはそれで必要なのかもしれませんが、その周辺の課題をどのように解決するのかといった観点が他社の提案にはあまり感じられませんでした。
農福連携のトップランナーである京丸園様、地元の行政や農協とのご縁を作っていただいたのですが、行政や農協に対し、どのように働きかけていけばよいのか、地元農家様とどのように連携してけばよいのかを提案をしてくださいましたし、実際に一緒に動いてくださいました。
さすが障害者雇用の業界で、20年もの長い間事業をなさっていらっしゃいますので、幅広いネットワークやコネクションをお持ちなのだと驚きました。
行政機関や農業関係者からも期待してもらえていることを実感
障害者雇用を進めたことで得られた成果についてお聞かせください
大河内様: ACMが無事に特例子会社の認定を受けることができ、悲願であった法定雇用率が達成できたことが何よりの成果です。
法定雇用率が達成されるということは障害者雇用納付金の負担も減りますので、財務的にもメリットは小さくありません。
地元農家様との業務提携による農業分野での障害者雇用がスタートしたことは、障害者雇用の機会創出のみならず、ACMとしての事業領域の拡大にもつなげられます。
行政機関や農業関係者の方からも「期待している」「できることは協力する」と言っていただいています。事業を通じて社会貢献できる体制が整いつつあることを感じていますので、期待に応えられるよう努力していきたいと思っています。
工藤様: 今回の農福連携型の障害者雇用では、地域就労支援機関とも連携しながら、実習を活用しての採用を進めていく方法をご支援いただきました。この経験によって今後の障害者採用についての取り組み方がわかったことも大きな収穫です。
事業の継続性や拡大と地域への貢献を目指した障害者雇用を
障害者雇用に関する今後の展望についてお聞かせください
大河内様: 今回ご支援いただく中で、農福連携についての事業の可能性と障害のある方の働く力の可能性を知ることができました。特例子会社としてのさらなる事業展開を計画しています。
具体的には2023年中に、愛知県内で自社ハウスでのシイタケ栽培と販売を開始します。障害のある社員を20名くらいは新たに雇用できる見込みです。
こういった取り組みを通じ、当社らしい障害者雇用に取り組み、地域に貢献していきたいと思います。
-
特例子会社 事業計画書テンプレート
このテンプレートは、自社で「特例子会社をつくる」となったとき、 記載されている項目について自社の考えや状況を検討、記入していくことで、 社内に説明する事業計画書をつくることができます。